私は保育士資格と、幼稚園教諭2種免許を持っています。今までの職歴は、主に保育士、いわゆる認可保育園で働く保育士です。
しかし、保育士を続けるのって結構大変、なにげにハードルが高い職業でもあります…今や保育士不足が深刻な世の中ですから、保育士=大変というのは、世間に浸透していますね。
https://40life-cafe.site/sekennews/hoikushibusoku-2019
結婚してこどもを2人育てながら、なんとか保育士を続けている私ですが、あるタイミングで定職につかず、フリーランスのベビーシッターとして働いたことがあります。
今の時代、保育士資格を持っていれば、自分の好きな時に好きな時給で働ける、フリーランスのベビーシッターという選択肢もあります。
私も引っ越しで、年度末に勤務していた保育園を退職し、すこしの間フリーのベビーシッターとして働いてみたんです。
フリーのベビーシッターは、保育園勤務の保育士に比べて魅力的な働き方である、とうたわれていますね。
その時の私は、保育園で働く保育士に疲れていました…何年も育児×保育士をしてきて、やりきった!という思いもありました。
実際、保育園勤務に疲れた私が、フリーランスのベビーシッターとして働いてみてどうだったのか?メリットとデメリットは何か?などを、私なりにご紹介したいと思います。
どうぞ、ご覧ください。
Contents
ベビーシッターと保育士の違い
こどもを保育するしごと、というのは同じだから同じように思われがちですが、色々違いがあるのです。
保育士(保育園勤務) | ベビーシッター | |
必要な資格 | 保育士資格 | 特になし |
勤務地 | 勤務する保育園 | 利用者の自宅や指定された場所 |
こどもの人数 | 集団で過ごす | 1人から2,3人 |
人間関係 | こども、職員、保護者 | こども、保護者 |
雇用形態 | 正社員、契約社員、パート | フリーランス、バイト、派遣 |
勤務時間 | 8時間(シフト制) | 自由に決められる |
お給料 | 平均月給22万円前後 | 時給1000~3000円程度 |
賞与 | あり(1~5ヶ月) | なし |
残業 | あり(サービス残業も多い) | なし |
書類 | 多い | なし |
保育士のデメリット
世間のニュースにもなる保育士のデメリット。現役保育士が正直にお伝えします。
保育士は書類が多い…
保育士の経験がある人なら共感してくれると思いますが…保育園勤務の保育士は、書類が多い!!
毎日の連絡帳から、日誌、個人記録、年間カリキュラム、月案、週案、行事の計画や記録…それらの反省も後から書かなければなりません。
書いても書いても、書類が終わることはなく…終わったーと思っても、製作準備などほかの業務が待っています。
毎日保護者とやり取りをする連絡帳、1冊5分かかるとしたら、10人いれば50分…このほかに午睡チェックしたり、日誌を書いていれば、休憩時間もなく、あっという間にこどもが起きる時間に。
園によって違いますが、書いていると重複した書類もあったりして…超絶ムダ!!と思うことが多い。
最近できた新設園でもそう…書類簡素化、IT化しよう!と言われている令和の時代に…保育園業界はまだ逆行しているところが多い印象です。
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保育士は人間関係が難しい
保育士をやめてしまう原因のひとつが、人間関係です。
これはどの業種でも同じでしょうが、保育士の場合は他業種に比べて、人間関係が密になりがち、というのがあります。
1つの保育園の職員数って、多くても100人もいません。いや、50人もいない…?
園長、理事長含め、大体数十人しかいないので、合わない人がいると辛くてやめていきます。
もちろん、辞めずに頑張っている人もたくさんいますが、とにかく関係が密になるので、ストレスを抱えながらやりとりをしなくてはなりません。
特に、HSPなど繊細で傷つきやすい気質の人にとっては、人間関係や上司の悩みが尽きないかもしれません。
もちろん、それでもうまく合わせたり気にしないようにして頑張っている先生がたくさんいますが、女性の職場であることが多い保育士の職場環境はなかなか難しいところがあるのが現実です。
その点、フリーランスのベビーシッターは、HSPなど繊細で傷つきやすい人でも働きやすいと実感しました。
保育士は保育観の違いで悩む
保育に正解はない、ので、様々な保育観、考え方の人がいて、自分の思い通りにいかないのも、この仕事の辛い所。
こどものために良かれと思ってかっていることも、他の保育士からみたら批判されることもあるのです。
それが先輩保育士だったとしたら、自分の気持ちを押し殺して従うしかない…という世界。
経験が浅かったり、メンタルが繊細な保育士は、それに耐えられなくてやめていきます。
保育士、正社員だとシフト制勤務
園によってちがいますが、首都圏だと認可保育園は朝7時から20時くらいまで開園しているところが平均的。
正社員で働くとなると早番、遅番はもちろん、中番やその他5,6パターン位のシフトに入ることになります。
こどもがいる保育士だと、このシフト勤務のハードルが高いので、本当は正社員で働きたいけれどパートや固定時間の契約社員で我慢している人がたくさんいるのが現実です。
https://40life-cafe.site/tomobataraki-wa-mama/hulltime-wa-mama-schedule-hoikusi
近くに毎日のように頼れる、じいじやばあばがいる人なら我が子の保育園の送迎もお願いできますが、頼れる人がいなければ不可能ですよね。
保育園の送迎ができればいい、というだけではなく、
我が子の面倒は自分でみたい
もっと我が子と一緒に過ごしたい!
あなたがそう思うママやパパであれば、正社員でシフト勤務をこなしながら保育士として働くのは大変だと思います。
“我が子が小さいうちは一緒に過ごしたい”
そう思えるのは正常であり幸せなことですよね。
こどもが小さいうちは、保育士以外の仕事をしたり、正社員はあきらめてパートや非常勤(契約社員)保育士として働く人が多いです。
ベビーシッター「キッズライン」で初のフリーランスに
勤めていた保育園を年度末に退職し、数ヶ月だけ定職につかない時期がありました。
その時に、フリーランスのベビーシッターという選択をしたんです。
でも、ベビーシッターって怖い事件もあるじゃないですか、身元がはっきりしない保護者やシッターなど、認可保育園みたいに自治体が関与していないからこそ、闇があるイメージで…あとは、時給も安いし正社員ではないから、ちゃんとお仕事が入るか、稼げるのか…などの不安もあったんです。
そんな不安を解決してくれるのが、KIDSLINEというマッチング企業でした。
キッズラインベビーシッターのメリット
安心・安全に働ける
キッズラインはとにかく、安心安全を大切にしています。
利用者もシッターも、身元をしっかり調べ、安全性を認められた人だけが登録されているので、お互いに安心してこどもを預けたりあずかることができるのです。
時給を自分で設定できる
自分で時給を設定できるということは、保育士さんなら保育園勤務の時給より高く設定できるのが魅力♪
キッズラインのシッターは、保育士資格がない人も登録しています。
資格がなくても、子育て経験者だったり、看護師だったり、若さが武器の保育士を目指す学生さんだったり…それぞれの強みを生かして働くことができます。
でも、保育士資格がある人はやっぱり格別!それだけで利用者さんは安心してくれるので、資格があるならぜひ、世間の相場より高めに設定してみましょう。これも、キッズラインならでは。
むやみに高いのは×ですが、資格や経験があるのですから、変に安くしなくても大丈夫です。
お互いレビューで人柄や経験がわかる
利用者さんはシッターから、シッターは利用者さんからのレビューがつき、過去のものもすべてみることができます。
何か購入するとき、商品レビューを参考にするのと一緒で、利用者さんもシッターのレビューをみて依頼してくることが多いです。
私たちシッターは選ばれる側ですが、どんな家庭か、そんな保護者か、どんなシッティングを求めているのか…など、レビューがかなり参考になります(もちろん、直接チャットで聞けますが)。
キッズラインが起こしてしまった、事件について
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200503-00000008-sasahi-soci
悲しい事件が起きてしまいました…。
男性保育士が、男児にわいせつ行為をした、というものです。
キッズラインには、たくさんの登録保育者がいます。
今回の男性保育士は、シッターとして許されるべきではありません!
しかし、多くの保育者たちは、大切なお子さまを預かる責任をしっかり持って、保育しているはずです。
キッズラインは、これに対し、「謝罪」をしていません。
また、↓の記事も、キッズライントップページから見ることができないのも、残念でなりません。
https://kidsline.me/information/sns
この事件によって、多くの家庭、シッターに影響が出てしまうことが悲しいです…
フリーランスベビーシッターのデメリット
キッズラインはマッチングの会社です。キッズラインに登録したからといって、キッズラインの社員になるわけではありません。
あなたがすんでいる自治体に開業届を出して、フリーランスベビーシッターとして働くのです。
フリーランスだけに、大変なこともあります。まあ、当たり前と言えば当たり前なんですが…やってみないとわからないことってたくさんありますね。
代わりがいない
フリーランスは代わりがいません。
だから、自分が仕事の日に体調を崩してしまったら大変です。
フリーのベビーシッターを始めて、痛感したのが代わりがいないから、体調管理をしっかりしなければ…ということ。
とはいえ、どうしてもその日に行けなくなることもありますよね。
キッズラインでは、緊急時に「お助け」メールシステムがあり、すべてのシッターに「代わりに行ける人いませんか?」の呼びかけをしています。
私も1回だけ、そのメールをみて、代わりにシッティングに行ったことがあります。
自宅から割と近く、予定もなかったので名乗り出ました。新たな出会いにもなりよかったです♪
しかし、フリーランスとは、代わりがいない大変な働き方だなぁ…と思いましたね。
収入が安定しない
いくら時給が高く設定できるとはいえ、毎月決まった月給をもらえる保育園勤務の保育士時代とくらべたら、収入は激減。
しかも安定しません。
キッズラインでは、「保育園勤務時代より、お給料が増えました」というシッターも多く、売りの1つになっています。
しかし、それは2000円以上の高時給、リピーターがついて、毎日8時間位お仕事が入った場合です。
最初のうちは、なかなかそうはいきませんし、子持ちのシッターであれば時間や休みも制限がありますよね。
家庭を持っていなくて、24時間フレキシブルに仕事を入れられますよ!というくらいの人でないと、なかなか高収入にはならないかも⁈
あとは、どんどんお仕事をして回数を増やして、時給をアップする…同時に、オプションをつけて収入につなげるとか…
最初から、正社員保育士以上の収入をコンスタントに得るのは、家庭持ち、子持ちシッターにはハードルが高いかもしれません。
自分で確定申告する必要がある・保健や年金が高い
シッターにかぎらず、フリーランスになると自分で確定申告をしたり、税金対策をする必要があります。
あとは、社会保険や厚生年金ではなく、国民保健・年金になるのでお金も高くなります。
せっかく、収入が上がっても、結局トントンか、手取りとしては下がってしまうかもしれないのがフリーランスの辛い所でもありますね。
保育園勤務の保育士・フリーのベビーシッターどっちが向いてる?
さて、自分にはどっちが向いてるんだろう…?と思いますよね。
保育園勤務の保育士が向いている人
フリーのベビーシッターが向いている人
フリーランスのベビーシッターをして感じたこと
保育士資格や子育て経験者は喜ばれる
シッター慣れしている家庭が多く、思ったより快適に働けた
高級住宅街や色々な街に行けて楽しい
自分の都合で働けるので、我が子の学校行事に参加できる
遅刻厳禁なので、初めて行く場所はかなり時間に余裕をもつ必要がある
早く着きすぎて、カフェに行く時間が増えた笑
書類は完了報告のみ。しかもネットで完結するのでラク
行事がなくてラク
お子さまのお昼寝中に、仕事に追われることがない
リピーターになって下さったときの喜びが大きい
やりがいと責任感を感じる
防災意識が高まる(地震がきたら、ここに避難しよう、とか)
保育園とは違い、家庭の方針に従ってシッティングする
前日や当日に仕事依頼されることが多い
ご自宅だけではなく、ホテルや職場、美容院などでシッティングすることもあり、良い経験になる
定期契約をとれると、収入が安定しやすい
直前キャンセルもありえる
これだけではありませんが、保育園勤務の保育士では経験できないことがたくさんあります。
メリットデメリットはありますが、キッズラインはネットでやりとりから決済まで完結できるので、時代に合った働き方だと言えそうです。
ベビーシッターは乳児相手だけではない
ベビーシッターというと、ベビーがついているだけに、赤ちゃんのお世話をするイメージがありませんか?
でも、実際は幼児さんも、時には小学生もシッティングを頼まれます。私も乳児経験の方が多くて、幼児さんは苦手意識がありました。
だから、5歳児さんとか小学校1年生のお子さまのシッティングリクエストが入ると、キンチョー…カチコチでした…
でも、シッティングはそんなに難しいことは頼まれないし、集団ではなく1人かきょうだいだと2人程度…なので、同じように悩んでいるあなたも大丈夫です!
キッズラインの場合、年齢は選べませんが、自分のプロフィールに「乳児保育経験が豊富」などの記載もできますから、アピールしておくと乳児さんのリクエストが多くなるでしょう。
さいごに
私はフリーのベビーシッターを経て、現在は保育園勤務の保育士メインで働いています。
保育園勤務に戻った理由は、収入が安定しているから。
あとは、引っ越しによって実家が近くなり、我が子がいても安心してフルで働けるから、というのも理由です。
ベビーシッターを始める前は、保育園勤務に疲れきっていた私も、色々な家庭でシッティングをさせて頂いて癒されましたし、保育園勤務の保育士の良さに気づくこともできました。
保育士資格を持っている、保育士経験がある、子育て経験がある…そんなあなたは、ベビーシッターでいかんなくその経験を発揮できますよ。
保育園で毎日当たり前に行っている、こどもの寝かしつけや手遊びなど、とっても喜んでもらえます!
自分の価値を感じられるのも、ベビーシッターの良い所。
ベビーシッターは休日なども働けますし、都合に合わせて今後もやっていきたいと思っています。
開業届を出しているので、年に数回現況報告をすれば、シッターとして働けますから。
長く続ければ、シッターも収入が安定してくるはず。私は夫と完全2馬力で働かないといけないので、保育園勤務に戻りましたが、ゆったりやりがいをもって働けるベビーシッターはかなりおすすめ。
特に家庭持ちの方やこどもが小さい保育士さんには、激しくおすすめします!