世間のニュース

保育士不足について令和直前(2019)に保育士が考察してみた

保育士 不足

保育士不足が話題になっていますね。平成も終わりを迎え、現時点で令和直前…でも、この問題は解消されていません。
もっと前は、保育園不足と言われていましたが、国の政策でどんどん園は増えました。
しかし、こどもを保育する、肝心の保育士は相変わらず不足したまま…

最近では、政令指定都市である横浜市の認可保育園が、保育士不足により閉園になるというニュースも話題になりました。

保育士不足については、テレビでも色々といわれていますね。
でも、テレビで言われている理由って、表面的なものだけだと思うんです。
この記事では、現役保育士である私が、保育士不足の理由について色々と考察してみましたので、興味ある方はご覧ください。

保育士に疲れた…私がフリーランスのベビーシッターとして働いてみた感想 私は保育士資格と、幼稚園教諭2種免許を持っています。今までの職歴は、主に保育士、いわゆる認可保育園で働く保育士です。 しかし、...

保育士不足の原因とは?お給料が安いから?

私(現役保育士)が思う、保育士不足になる原因を挙げてみました。
テレビで言われている意見よりは、厚みがあると思いますが…実際私もなんどもやめたいと思いましたから(笑)
では、みてみましょう!

給料が安い

はい!言わずとしれた理由、というか、まず最初に思いつくのはコレですね。
とはいえ、公立保育園は別ですよ!公立は自治体の公務員なので、お給料が比べ物にならないくらい良いですし、退職金や諸々の休暇など、待遇はバッチリです☆

よくテレビで「保育士○年目のお給料の平均は××円!低いですね~」なんて言われていますが、アレは高い方ですから。
と、いうのも、公立と私立どちらもまざった平均だからです。
公立は公務員と同じくらいで、お給料が良いので平均もあがるわけです。

…そう、お給料が低い、と嘆かれるのは私立保育園です(認証、無認可、託児所も然り)。
公立保育園より私立保育園の方が数が多いですし、新たに増えた園はほとんど私立。
むしろ、公立保育園は民営化していく自治体も増えています(公務員試験を受けて受かったのに、当事者たちは辛いですよね)。

認可園で10年以上歴がある私も、手取りは20万弱です。はっきり書くと18~19万くらい(最初からかけよ!)。
これでも良い方かもしれません。地方に行くと手取り10万円前半…とかザラにあるみたいなので。
私が新卒の頃にくらべたら、国が手当てをつけてくれて多少上がりました。
処遇改善費などもありがたいです。

しかし、これらは手当てなので、基本給とは別。賞与には反映しません。
しかも、これらの使い方は各園に委ねられているので、保育士にすべて反映されていないケースも…(ハッキリは書けませんが)。

こういう園に当たると、運が悪いとしか言いようがありませんが、結構あるのでは、と思いますね。
あとは、手当てではなく、基本給としてガッツリ上げてほしいというのが本音。
0歳から幼児までの小さなこどもの命を預かっている、保護者支援も必須になっている保育士は、もう少しお給料が上がらないとやってられない!と思う気持ちは十分理解できます。

人間関係がむずかしい

人間関係とは、同僚や先輩後輩、上司との関係を指します。
よく、女の職場は難しい、なんて言いますよね。保育園もまさにそうなんです。
しかし、男性保育士がいても難しいことがありますよ。
少し前に勤めていた、主任や園長のお気に入りであるイケメンの男性保育士がいました。

人当たりもよく、性格的にも良い子なのですが、お気に入りゆえ、彼のクラスだけなんでも上げ膳据え膳。
年長や年中の一人担任限定で、乳児のおむつ替えはしなくていいよ、製作準備もパートの先生にしてもらって、発表会の劇のピアノは他に人に弾いてもらう(ピアノが弾けないから)、台本も作ってあげる…など。

「彼だけずるい!」ってなりますよね(笑)
他の先生は自力で一生懸命やっているのに…って、話を元に戻します(笑)

同僚や先輩後輩も色々な考え方、保育感の人がいます。保育に正解はない、からなんですね。
それが仇となるんです。自分なりに良いと思って保育をしていても、となりのクラスの先生に「あーだこーだ」言われるなんて日常茶飯事。
なんなら、パートの先生に言われることだってあります。

特に、先輩保育士に言われると反論もできない…でも、自分のクラスのこどものことは自分の方がよくわかってる。
余計なこと言わないで!って気持ちになります。
ほんと、これ多いんですよ…これがストレスでやめていく保育士を何人もみてきました。
あとは、陰で泣き寝入りしていたり、グチ大会をしたり…。

こういうことが重なると、人間関係ってどんどん悪くなるんですよね。

あとは、後輩に伝えただけなのにパワハラだと思われたり、常識が通じなかったり、ジェネレーションギャップでしょうか?たまにこういうこともありますね。
どこにいっても、人間関係って難しい…特に保育園は、たくさんの従業員を抱えた企業より小規模で、人間関係が密になりがち。

合わない人と距離をとるのが難しい世界なので、余計にそう感じます。

トップの思考が独特であることが多い

トップとは、その園の園長、理事長、主任などを指します。
特に園長や理事長は決定権を握っていることが多く、主任までオッケーだとしても、彼らがOKしなければなかなか前に進まないことがよくあります。

また、彼らは独特の思考であることも多いです(どこのトップも同じかも?)。
その思考に、職員は振り回されてしまう…おかしいと思っても言えませんからね。
なんていうか…世間の常識と外れてたりして…理不尽なことも多い。
これが積み重なると、ここではやっていけない、と離職してしまいがちです。
だって、トップが変わることはほぼないから、自分が辞めるのが手っ取り早いですから。

よくあるのは、家族経営の保育園。
特に開園して間もない家族経営の園は、落ち着くまで家族のトラブルが絶えなくて、周りの職員はストレスかもしれません。

もちろん、素晴らしい人格者や職員のことを考えてくれる、思いやりのある園長や理事長もいらっしゃいます。
しかし、少数派ではないかと思わざるを得ません。

保育士不足で現場はカツカツ…体力気力ともに常に限界

保育士不足なんです。だから現場も保育士が足りていません。
だからか、少し前から保育士資格を持っていない人も、保育補助としてなら積極的に採用されるようになりました。
だから人はいるように見えても、1人として数えられなかったり、任せられる仕事が少なかったりします。
補助はできるけど、連絡帳は書けない、リーダーはできない、書類は書けないなど…
もちろん、いてくださるだけで助かりますが…

あとは0歳児3人に保育士1人、1,2歳児なら6人で保育士1人…などの国が定めた規定があります(対人数)。
1歳児6人に1人って…本当に大変ですよ!特に、4月なんかは新入園児もいたり、環境が変わって落ち着かないのでなおさら。
そんな時、保育士の数に余裕があると、大変な時期はもう一人ついてくれて、安心して保育ができます。
しかし、保育士不足なので4月だろうが、みんなが泣きじゃくっていようが、対人数きっちりで保育をしなければなりません。

これは、体力的にも気力的にも相当きついです。もちろん、1歳児のみならず、他の年齢でも同じ。
保育士の人数が少ないと、保育のことまで頭がまわらず、こどもにケガをさせないようにするだけで精一杯!なんてことが毎日続きます。

単に体力勝負で、体がボロボロになる

保育の仕事は体力勝負。幼児さんの場合は、お外で鬼ごっこやなわとび、かけっこなど体を全力で動かすので大変なイメージ。
でも、3歳未満の乳児クラスなら、ゆったり過ごせるでしょ、走らないでしょ、というイメージかもしれませんね。
ところがそのイメージは半分正解で半分間違い。

乳児さんの場合、抱っこにおんぶ、その両方、何分もおんぶにだっこで立ってユラユラ寝かしつけ…なんてことがしょっちゅう!
また、基本的に床生活なことが多いので、膝がやられます(泣)。
乳児さんでも、体格が良かったり、体重が重い子もいるので、かなり腰や肩に負担がかかるんです。
また、まだ噛みつきやひっかきなどもみられる時期なので、それを瞬殺で止めるのも私たちの仕事…

自分の体を犠牲にして頑張っているんです…

家庭持ちにはつらい、シフト制である

保育園といえば、長時間開園しています。最近では夜間保育のニーズもあり、21時まで開いている認可保育園もありますよね。
朝7時から夜20、21時くらいまで開園しているので職員はシフト制になります(正規、非常勤、パートなどによって異なる)。
ということはですよ…家庭持ちの保育士は、自分のこどもより朝先に出て、夜遅く帰宅するのです。
これに対応できる保育士とできない保育士がでてきます。
こどもが小さいうちは、早番や遅番はできない、じぶんのこどもを大切にしたいこう思う保育士がとても多いのです。
これって、正常な考え方ですよね。むしろ、健全だと思うのです。

こどもが小さいうちにバリバリ働くお母さんもかっこいいけれど、こどもと一緒にいたい、収入は減ってもいいから働き方を変えたい…色んな考え方があります。それを否定することはできません。

保育士はシフト制で、子育て中の保育士にとっては拘束時間も長く、仕事内容もヘビーなので、離職しがちなのです。

保育は福祉からサービス業に…についていけない

私が新卒の頃、保育はサービス業という言葉を聞くようになりました。
その頃がターニングポイント、時代の変化だったのかもしれません。
しかし、先輩保育士たちはそれに対応できていませんでした。
それはそうですよね、急に変化を受け入れるのって難しいです。

今でも「保育は福祉であって、サービス業ではない」と考える保育士がいます。
というか、本当に保育はサービス業なのでしょうか?
自治体のHPを見ると、幼稚園が「教育」、保育士は「福祉」カテゴリーに分けられているところもあるので、はっきり言いきれないのが現実かもしれません。

しかし、昔は「こどものための」「こども中心の」保育園だったのに対し、今では「保護者のため」「保護者中心の」施設になっていると感じます。
保護者の為の施設なので、仕事以外の遊びやリフレッシュ目的でも認可保育園に預けられるようになってきました。
たとえこどもがさみしがっていても、です。

そこに、キャリアのある保育士たちはジレンマを感じるのではないかと思います。
また、若くても悶々としてやめていく問題がこれです。

モンペ予備軍の対応が大変

モンペとは、モンスターペアレントのことです。これも社会問題になっていますね。
モンペが増えたことにより、小学校の教員も離職する時代です。

もちろん保育園にもモンペと呼ばれる方がいらっしゃいます。
しかし、モンペです!と判を押したようなモンペというのはあまりいません。
いるにはいますが、それなりの対応の仕方で落ち着くことが多い印象。

問題なのは、モンペ予備軍の方々ではないでしょうか。
モンペ予備軍とは、一見モンペには見えないが、モンペの要素を持っている保護者のことです。
(モンペ予備軍とは、私が勝手につけた呼び名です。保育士用語ではありませんのであしからず)

普段は優しげだったり、「大丈夫ですよ」と言ってくださったりするのですが、細かく要望を言ってきたり、集団生活では難しいことを我が子に希望してきたりします。
一転すると、園長に言う前に役所にクレームを入れたりすることも。
保育士も一生懸命保育している中、こういったことが起きるとダメージをくらいます。

私的には、保護者とはコミュニケーションが大切で、コミュニケーションがしっかりとれ、信頼関係が構築できればこういった問題は起こりにくいと思うのですが、なかなか難しい問題です。

保育士不足解消は簡単ではない

色々と、私なりに保育士不足の原因について書いてきましたがいかがですか?
テレビでよく言われる、保育士は激務で薄給だけではないということが伝わりましたか?
激務で薄給、だけなら、他の職種でもたくさんあると思うんですよね。

保育士の世界は狭くて独特、そして色々な立場の人が出入りする場所であるため、離職の原因がさまざまなのです。
ということは、これから令和の時代になっても保育士不足は簡単には解決しないでしょう。

保育士は馬鹿?社会的地位が低いわけ

保育士は馬鹿でもなれるなど、社会的地位が低いイメージありませんか?
社会的地位が低いから、お給料も安いと言えるわけですが…

保育士は馬鹿でもなれるのか?と聞かれたら、答えはYESでしょう。
だって、一生懸命勉強して、4大を出ていなくても資格はとれます。
高卒で短大や、専門学校で単位をとり、実習をして卒業すれば保育士になれるんです。
学校で取れなくても、国家資格に合格すればとれます。この場合は、実習は必修ではないようです。

学力、学歴でいったら、バカでもなれるというのは否定できないのではないでしょうか。
また、保育の世界はせまいので、視野がせまかったり、社会経験が少なく残念!な人がいるのも事実。
書類もまともに書けない人がいるのも事実です。

しかし、お勉強ではない頭の良い保育士はたくさんいます!もちろん、しっかり書類が書ける保育士も。
保育士という職業を選ぶ人たちですから、根本は優しい人が多いんです。
こどもが好きで好きで…こどもと関わりたい…少しでも社会の役に立ちたくて…そんな志で保育士になった人が大半。

保育士不足の今、現場で働いている保育士たちは素晴らしい人がたくさんいるのも事実です。

潜在保育士はベビーシッターなどで活躍

さて、保育士不足というなら、保育士資格を持っている人、いわゆる潜在保育士たちは何をしているのでしょうか?

ベビーシッター
アパレル関係
事務
サービス業(飲食店など)

こんな感じが多いようです。
保育士は専門職な上、いまだに手書きで書類を書いたり、製作やカードを手作りで作ったり…とアナログな世界。
だから、PCスキルもあまりなく、PCを使った仕事は苦手意識があったり、仕事にならない、という印象がありますね。

ここに「事務」とありますが、いきなり正社員は難しいのでパートから始めたり、派遣だったりする場合が多いようです。
私の元同僚も、こどもが小さいから、もっとこどもと一緒に過ごしたいから、体力がきついから…という理由で保育士をやめ、事務(経理)のパートに転職しました。

他には手に職がなくても働ける業種が多いですね。

ところが、最近はフリーのベビーシッターとして働く専業保育士が増えてきました。
ベビーシッターマッチングサイトや会社も増え、安全でお給料も自分で決められる、フリーのベビーシッターが人気です。
実は私もその経験があります♪

保育士に疲れた…私がフリーランスのベビーシッターとして働いてみた感想 私は保育士資格と、幼稚園教諭2種免許を持っています。今までの職歴は、主に保育士、いわゆる認可保育園で働く保育士です。 しかし、...

今は認可保育園に勤務する保育士ですが、転職の合間にベビーシッターの仕事をしていました。
保育園勤務の保育士とはちがったやりがいや手ごたえがあり、時給も高めに設定できる(条件あり)、時間も自分で決められるので、子育て中や体力に自信がなくなったシニア世代にも好評な働き方です。

他の職種に比べて、保育士の専門性を生かせて、利用者も安心して預けられる一石二鳥の仕事と言えますね。

さいごに

現役保育士である私が、保育士不足について考察してみましたが、いかがでしたか?
色々書いてしまいましたが、現在働いている保育士さんたちは厳しい世界でまっとうに仕事をしている、頑張っている先生ばかりです。

お給料が安くても、人間関係に悩んでも、なんとか乗り越えて続けている人ばかり。
その原動力は、こどもたちの笑顔と、保護者からの感謝の言葉です。
まさに私がそうなので、断言します!

こどもたちの笑顔や成長を見届けられ、社会的にも貢献できていると感じられる素敵な仕事なのです。
だからこそ、令和の時代に、もう少し保育士の社会的地位やお給料があがり、ブラックな園が減り、負担なく働けるようにしてほしい。
そうすれば、保育士不足は解消するのではないでしょうか。
お読みいただき、ありがとうございました。